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今週の風の詩

第3936号 朝採れささげの味(2024.7.21)

朝採れささげの味
ひこんしゃん(ペンネーム)

旅をするとその土地の野菜を買ってエコバッグ一杯に詰めて帰ってくるのが我が家のルーティン。なかでも飛騨高山の朝市や直売所は大のお気に入りで、年に数回通っている。ほうれん草、春菊、じゃがいも、ねぎ、赤かぶ、トマト、なすなど、豊かな環境で育った採れたての野菜はどれも目を見張るほど美味しく、こんな野菜がいつも手に入ったらね、と常々話している。


初夏に同地を訪れた際、種苗店であきしまささげの種を見つけた。ベランダ菜園で育ててみようと購入し、8月上旬少し遅めの種蒔きをした。薄茶色に焦げ茶の虎のような模様の入った丸い種は、みるみるうちに芽を出して、あっと言う間に可憐な薄紫色の花を咲かせた。


それからしばらくして、台風が去った朝、散った花を寂しく眺めていると、大きく平らな実がいくつもぶら下がっているのに気がついた。鞘の紫色の縞模様が、葉っぱの間で迷彩柄のようになって目立たないうちに大きくなっていたのだ。寒暖差により濃くなるというその模様がよく出る季節になったのかもしれない。


ぷっくりと膨らんだ実を摘んで茹でて食べた。


美味しい!甘い!


ついさっきまで蔓にぶら下がり朝日を浴びていたあきしまささげは、綺麗な緑色に茹ってシャキッとハリがあり、甘く、青い命の味がした。


美味しい野菜が手に入らないなんて言わないで自分たちで育てないとダメだね、との妻の一言が、我が家の野菜との新しい付き合い方を予感させた。野沢菜、かぶ、ほうれん草。まずは冬野菜の種蒔きに心を躍らせている。



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