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今週の風の詩

第3935号 とある街の文房具店の話(2024.7.14)

とある街の文房具店の話
黒崎洋子

私の住む街に、画材屋兼文房具屋さんがある。
40年以上街で親しまれてきたその店は今年の夏閉店となった。
その店は、画材はもちろんのこと、額縁や、かわいい文具類、便せん。
ノート、色えんぴつ、センスの良い絵葉書、季節ものの雑貨や、ちょっとしたプレゼントも売っている、夫婦経営のたいへんセンスの良い文房具屋さんだった。
夏には風鈴や、冬には壁いっぱいのクリスマスリースが飾られ、それは華やかな店内で、いつか買おうと思っているリースはいつの間にか売切れてしまう様な、大人が行ってもワクワクするセンスの良い店だった。
小さい子供から大人まで楽しめるお店だった。
今年の猛暑の中、店の前を通ると、店先には閉店を知らせる張り紙があり、家族ともにショックで閉店と聞いてからは何度か顔を出した。

なんでも、インターネットで買える様になってしまったので、、、ということも閉店の理由の様だった。
100円ショップや、ネットで安易に買わずこのお店で購入すればと、今更ながら悔やまれた。

閉店の知らせを聞いて近所の人もたくさん店に来ている様だった。
ご夫婦と何気ない話や、街の情報交換をしながら買い物も楽しむ街の顔の様な店だったのだ。

文房具屋さんどうしているかな…と家族で話していたら、また少しでも文房具や画材を売ってほしいと声があった様で、同じ場所でオーナーのご主人が小規模で文房具販売を再開していてうれしくなった。近所の人も次々と話しかけていてうれしそう。

どんな便利な時代になっても商品をみて、選んでワクワクしたり、お店の人とのおしゃべりや交流、ちょっとした小さなハッピーも大切にしていきたいなと感じた。

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