第 3871号2023.04.23
「学生生活の今昔物語」ひろちゃん(ペンネーム)
団塊世代は競争に明け暮れる人生を送ってきた。 受験勉強に凌ぎを削り、運よく希望の大学に入学すると全学 ストライキが待っていた。 まずは、4・28沖縄デーに向けて連帯の意思表明のための 1週間ストライキ。 次に、学生会館の自主運営権を要求する無期限ストライキ。 そして、10・21国際反戦デーのストライキなど次々と理由を みつけてはストライキを打っていた。 ストライキに対して大学当局はロックアウトの措置を取った。 学生が大学構内に入ることを禁じたので全ての授業は休講となった。 そのため朝からパチンコを打ち、メンツが揃えば麻雀に興じ、 夜は誰か彼かの下宿で酒盛りをした。 まさに、「立てばパチンコ 座れば麻雀 歩く姿は千鳥足」の 学生生活であった。 お金が足りなくなるとバイトに精を出し、およそ勉学とは無縁の 4年間であった。 先日、卒業以来はじめて母校を訪ねてみた。 キャンパスの風景が当時とは一変していた。 まず、当時は至るところにタテカンが林立していたが今は1枚もない。 当時はラウンドスピーカーから大音量のインターナショナルが ひっきりなしに流れていたが、いまはとても静かであった。 当時はセクトのヘルメットを被った学生同士の小競り合いが いたるところで見られたが、いまは整然とした雰囲気が漂っていた。 歩いている学生たちがあまりにも少ないので、自宅でリモート授業を 受けているのかと思った。 ところが、12時を回るとあちらこちらの校舎から大勢の学生たちが出てきた。 そうか。みんな真面目に授業に出ていたんだ。 入学と同時に就職のことを意識して勉学やサークル活動に励むと 新聞で読んだが、本当であった。 まあ~、大変なこっちゃ! 高度成長期の学生でよかったとほくそ笑みながら懐かしのラーメン屋へ向った。