第 3864号2023.03.05
「私のしるし」
みかりんご(ペンネーム)
まだ小学生になりたての頃 近所の男の子たちに 『お前の顔、そばかすだらけ~』と よくからかわれていました。 確かに私の頬には 当時流行してた アニメの主人公のように たくさんのそばかすがありました。 からかわれているのだから 良くないことなんだろうと勝手に思っていました。 あるとき 夕食の支度をしている母に そのことを伝えると 『あら、みんなあなたのこと よく見てくれているのねぇ』 と言ってにっこりしました。 そうか、私にしかないから みんな興味があるんだ。 それは特別なことなんだ。 母の笑顔を見たら何かがスッと抜けて 自信のようなものさえ湧いてきました。 そして私は次の日から 『いいでしょー、うらやましいの?』 と言い返すようになっていました。 コンプレックスはチャームポイントになり 結婚式のときのメイクさんにも 『そばかすは消さないでください』と 伝えるほど大好きな私の一部となりました。 共に40年もの歳月を過ごしてきたそばかすは 私の親友のようです。 シミもシワも増えてきましたが 『今』の私の顔が好きです。