第 3862号2023.02.19
「いいお産」
さと子(ペンネーム)
9/2に2780gの元気な女の子を出産しました。 初産婦ですが「分娩所要時間3時間55分」(病院の記録による)という 安産でした。前日夜の11時半の破水から始まり、本格的な陣痛が始まる 朝の6時頃までは病院に着いてほぼ寝ていて、どうやらその間にお産が 進んでいたらしく、3時間後に分娩室に行き20分も経たないうちに産まれ ていました。誘発剤なし自然分娩というバースプランが叶ったことや、 時間が短かったということとはまた別に、なんだかとってもいいお産でした。 自分で産むぞという気持ちで痛みが前向きに捉えられ、周りの人に助けて もらいながら自分にしかできないことを一つ達成できた気持ちです。 ただ、そこに至るまでには長い道のりがありました。コロナ禍で立会も 面会もできないこと、コロナ陽性だった場合には帝王切開になること、 妊娠中感染対策で友達や田舎の祖父母にろくに会えなかったことーーー。 妊娠中、途中で弱気になり、コロナ対策を徹底している病院での出産ではなく、 立会も面会も可能な助産院に転院することも考え、助産師さんに相談した ことがありました。『一人で産んで退院まで一人でお世話するなんて、、、』 その時、『先生に私にスタッフに、みんなでお産に協力していきますよ。 一人ででなんかじゃないよ』と言ってもらえて、それが本当にそうで、 陣痛中腰をさすってくれて、何度も様子を見に来てくれて、母乳指導に 深夜も駆けつけてくれて、期待していなかった病院食も全然非情に思え なくなって、とコロナだったからこそ触れた温かさが私の最初のお産の 温かな印象を形作りました。マスクで表情が見えにくい昨今ですが、 人のこころは変わっていなかったと思えたお産でした。