「ゼロ」

山口　文（ペンネーム）

妻が　逝ってから　早や　18年。

「私たちは　夫婦じゃないわ」「戦友よ」との言葉を残して。

確かに　色々　あった。

今、思い出しながら　妻との生活を

懸命に　小説に　書いているトコロだ。

俺は　ちっとも　人間性が直っていない

『洋子ゴメンな』と　日々　その想いは　募るばかりだ。

逝って2～3年は、妻とその深い愛に

広い家の中で　独り泣き叫んだ。

「オレは　絶対に　お前の分まで長生きして

見せるからナ！」と誓いながら、、、

・・・だが、妻が居ると居ないとでは

生きている充実感が　まるで　ゼロ　なんだ。