第 3855号2023.01.01
「初めての単身赴任と山形」
コビン(ペンネーム)
念願の個人事業主(70-80年代Popsアナログレコードを聴かせるカフェオーナー) となったもののコロナ禍での経営に疲れ、たった1年8ヶ月で店をたたんだところ でした。 たまたま昔勤めた会社の上司からの誘いがあり60歳を超えて初めて単身赴任とし て山形に勤務することになりました。初めての単身赴任、不安もありましたが住 めば都、本当に良いところでした。 まず驚いたのが、山形市で居をかまえたマンションから徒歩1分のところにアナ ログレコードを販売し、お酒も飲めるところがあったことでした。 階段上り2階のそこでレコードを物色し、さあ一杯飲もうとバーサイドをたずね たら「ごめんなさい、今晩は飲めなくて」と断られました。店主に理由を訊ねる と「今晩は近くのライブハウスで前座のDJをやるので御免なさい」って言われ 「そうですか、残念。ところで、DJはどこで?」って聞いたところこれまた歩いて 3分のところにあるライブハウスでした。少し肩透かしの思いでチラシをもらって 家に戻りミュージシャンをやっていた長男に「このバンド知っているか?」って なんとなくLINEでチラシ写真を送り聞いたところ「そのバンドの一人と2週間前 スタジオで録音一緒にしていたよ」とのことで、それならばと早速ライブハウスに 行くことに……中々秀悦な音を聴かせるバンドで思わず年甲斐もなく出待ち(ミュー ジシャンが演奏後に帰るか、外にでてタバコ吸うなどしていることろでの待ち伏せ) し、録音を一緒にしただろうメンバーに長男とのことを聞いたところ、初めは不審 そうに聞いていたが合点が入ったか表情が緩み「そうなんです、だけど何で親父さんが 山形にいるんです?」って聞かれて、経緯を話したところ「奇遇ですね」と打ち解け 息子への伝言も頼まれた次第でした。初赴任の地で思いもよらぬ繋がりがその地を 一瞬で大変心地の良い場所に変えてくれました。