第 3816 号2022.04.03
「ひいじいちゃんの話」
なると金時(ペンネーム)
ひいじいちゃんは私の娘からみた続柄で、私からすると祖父にあたる人。私が小 学校3年生くらいのときに癌で亡くなって、もう27年くらい経つ。 祖母はまだまだ元気で一人暮らし。3月のお彼岸に祖母宅に娘と母と三人で出か けた。お墓参りに行く。娘はもうすぐ3歳になるが、物心ついた時からひいばあ ちゃんが大好き。ひいばあちゃんちに行くとなると、前の夜からとても楽しみに している様子がわかる。 その日は先祖の墓守を一人でしている祖母とともに、お墓掃除を一緒にしようと いうことになり、娘もホウキ片手に手伝ってくれた。手伝いも大好きなお年頃。 お墓掃除を終えて、手を合わせお墓を後にするときに、祖母が「○○ちゃん(私) と△△ちゃん(娘)が参ってくれたよ。おじいさんは○○ちゃんが大好きだった からね」と祖父のお墓に向かって話しかけていた。 母に聞くと、祖父は私が生まれた当時、電気製品の営業の仕事をしていて、仕事 の空きがあるたびうちに寄って私と遊ぶのを楽しみにしていたという。 小3で亡くなった祖父との記憶ははっきり言ってあまりない。ただ優しい声と笑 顔、白髪のかたーい髪のことはしっかり覚えている。仕事柄、カメラで写真をい っぱい撮ってもらった記憶もある。 墓参りから帰る途中の森の中で祖母と娘の2ショット写真を撮った。ここの森、 神社があって少しジブリのような世界観があって、マイナスイオンたっぷり。撮 った写真をみてみると、娘に空から一筋の光がさしている。ただの光の反射と言 えばそれまでだが、なんだか祖父が空から娘を見守ってくれている、そんな気分 になるような写真だった。加えて、祖母と娘のニッコリ笑顔。またプリントアウ トして祖母にあげよう。 ひいじいちゃん、空からいつも見守ってくれてありがとう。これからも見守って いてください。