第 3814 号2022.03.20
「いつものあの人へ」
古川まりこ
同じ職場。同じ時間。同じ経路。 日々過ごしていると、「いつもの人」がそのうちでてきたりする。 同じ場所ですれ違う人。同じ座席に座っている人。 そうやって、自分の“いつもの”に重なる時が多い人が、「いつもの人」になる。 学生さん、おじいさん、お姉さん。私には何人かいる。 その人たちがいる景色が、私の日常になっている。 でもこの春、私は今住んでいる家を離れることが決まった。 使う駅も、出る時間も、通る道も。色々な日常が変わる。 だから、いつもの人達とも、そろそろお別れだ。 話したこともないけれど、私の日常の景色と共にいたいつもの皆様。どうか、お 元気で。