第 3811 号2022.02.27
「蛤と遊ぶ」
わたぼうし(ペンネーム)
友達から名産の「桑名の蛤うどん」が届いた。こんなご時世で旅行も 出来ないので感激しながら家族で有難く頂いた。蛤の身は柔らかくて、 出汁が効いていて、まさに絶品だった。 最近、知ったことだが、蛤は絶滅危惧種で、そのまま貝がらを捨てる のは勿体なくて、綺麗に洗って、乾燥して、再利用を考えていたところ、 ネット検索で、お雛様を作ることを見つけた。和紙でお顔と髪を貼り、 鳩居堂の千代紙で、着物を着せたら、不器用ながら、手のひらサイズの 可愛らしいお雛様が出来上がった。 そういえば、今年97歳で、旅立った母は手仕事が好きで、晩年、あさり の貝がらでキーホルダーを作ったり、牛乳パックに千代紙を貼って楽しん でいた、と懐かしく思い出された。いつの間にか、母と同じような事をし ていて、やはり、どこかで繋がっていると思うと、少しだけ嬉しくなった。 桃の節句に生まれた母なので、来年の3月に仏前に供えたら、天国から 微笑んでくれるような気がした。