第 3803 号2022.01.02
「認知症テスト」
不肖の息子(ペンネーム)
母が要介護何級かの認定を受けることになって、かかりつけの医院で認知症 テストを受けた。看護師さんが質問を始める。 「あなたの生年月日を教えてください」 「大正12年2月22日」と答える母。 「おいくつになられましたか?」 「今、生年月日を教えましたでしょう。看護師さん、あなたが計算すれば分かる のと違いますか」に、返す言葉の見つからない看護師さん。 「今の季節は何ですか」 「春ですね」と母。 「えっ?今日は1月ですけれど、春ですか?」 「初春(はつはる)、と言いますでしょう」 「なるほど」と看護師さん。 「次は、野菜の名前をたくさん言ってください」 「大根、人参、ゴボウにレンコン。白菜、水菜、広島菜、日野菜にホウレン草。 ジャガイモ、サツマイモ、サトイモにトロロイモ」 「まだまだ言えますよ」と、炊事が大好きな母は、すらすらと答える。 どこまでも勝ち気な母の面目躍如たる認知症テストであった。