第 3777 号2021.7.4
「家族のぬくもり」
鈴木りんこ<ペンネーム>
昨年11月に第1子を出産しました。 切迫早産で1か月ばかり入院したものの、無事に月が満ちて元気な男の子を出 産…したのはよかったのですが、昼夜のない赤ちゃんのお世話が、産後の心身 にこれほどこたえるとは思いませんでした。 もともと完璧主義なところがある私、産後の体のダメージや夜中の授乳による 寝不足に加えて、赤ちゃんの出生時の体重が少し軽かったこともあり、ミルク を吐いてしまうとか、すんなり寝てくれないといったよくある困りごとにいち いち落ち込んで、自分を責めてばかりいました。 そうして日ごと元気をなくしていく私を何より助けてくれたのは、家族の存在 でした。休暇をとって24時間一緒に赤ちゃんのお世話をし、共に困ったり喜ん だりしてくれた夫。泊まり込みで夜泣きに付き合い、おいしい食事を作って励 ましてくれた実母と夫の母。寡黙ながらあれこれと優しく心配してくれた父と 兄に、貴重な週末のお休みを、赤ちゃんをあやすのに割いてくれた夫の妹。 そして忘れてはいけない、日々成長する我が子。 そんな風にして1か月、2か月と過ぎるうち、体も回復し、赤ちゃんのいる生活 にも慣れて、少しづついつもの自分を取り戻すことができました。 今、息子は4か月。 ふくふくと大きく成長し、ほっぺなど垂れ下がりそうにむっちりとした姿は、 小さく生まれたのが信じられないくらいの堂々たる赤ちゃんっぷりです。 幸せそうにミルクを飲む息子をみつめるとき、ぐっすり眠るふかふかの体を なでるとき、そんなふとした瞬間に、産後の最初の1、2か月を思い出します。 この子を無事に、幸せに大きくできるのか、どうしようなく不安で途方に 暮れた気持ちとそういう気持ちを拭い去ってくれた家族のぬくもり。 家族ひとりひとりに、感謝してもしきれません。 ありがとうの想いを忘れずに、今度は私が皆にぬくもりを感じてもらえるよう、 日々を大切に過ごしていきたいと思っています。