第 3772 号2021.5.30
「見えない大きな力?」
山猫軒(ペンネーム)
15年ほど前のこと、よく晴れた日曜日、家族で富士山に近い、富士Pパーク へ出掛けた。 そこは雄大な富士山を望む広大な芝生広場で、心がおおらかになれるよう な懐の深い佇まいの公園だ。家族みんな、のびのび遊んで満足して帰宅した。 夜になって、子供の帽子を忘れてきたことに気が付いた。 その数日後、電話が鳴った。「帽子を落とされましたね。」そういえば、帽 子の内側に置き忘れ防止対策として、苗字と私の携帯番号を記入しておいた のだった。ありがたいことに郵送してくださるという。 しかし不思議なことに、電話はパークからではなく、数キロ離れた有名な神 社からだった。当日、神社には行っていなかった。なのに、境内に落ちてい た帽子を参拝者が拾ってくれたという。思えば、その神社といえば、その半 年前に初めて訪れた。当日は雨で、参拝もそこそこにお守りを購入して、 足早に帰ったのを思い出した。 それは神の御利益か、富士山パワーか、はたまた勝手なこじつけか、私は 目にみえない大きな力のお陰と、いまだ密かに信じている。