第 3771 号2021.5.23
「亡父との共通点」
まこ(ペンネーム)
ここ最近よくラジオを聴くようになった。引っ越ししてから電波の入りがよ くなったこと、ラジオは聴きながらでも家事が捗ることが大きな理由かもし れない。勇気を出してメールを送信し有名なパーソナリティの方に読んでも らえた時はとても嬉しかった。最近改めて亡父の遺品整理をしていた時、茶 色の箱に入っていたのは私が小学生の時の通知表や父の御朱印帳だった。そ の中に混じって、見覚えのあるシールが出てきた。それは某ラジオ番組で メールを読まれたリスナーに抽選で送られてくる番組特製シールだ。なぜ分 かったというと、私も一度だけそのシールをもらったことがあるからだ。 父がラジオ愛好家だったことも意外だったが、まさか同じラジオ番組のリス ナーだったとは! 私と父親とは誰が見ても顔は瓜二つ。だけど性格が合わ ず、顔を合わせれば口喧嘩ばかりだった。幼少期に単身赴任をしていた父と、 就職と同時に家を出た私とは、親娘といえど一緒に住んだのは実質12年ほ ど。親娘というには、あまりにも薄いつながりだ。だがまさか同じラジオを 聴いて投稿までしていたとは。いったいどんなラジオネームでどんな内容を 書いて送っていたのか、知りたいような知りたくないような不思議な気持ち だ。全く似ていないと思っていた父親と、まさかこんな共通点があったとは。 天国にいる父親と、今になって親近感を少しだけ覚えた。