第 3769 号2021.5.9
「手話講習会で学んだこと 」
山極尊子
私は2年前から市の手話講習会に通っている。 初めは「いつか役にたてたら」という安易な気持ちで始めたのだが、一緒に 通っている仲間が本気で学んでいるのを見て私も次第に本気になった。 受講者の年代は様々だ。 「職場の仲間が聴覚障碍者だから」という60代の方もいたら「いつかボラン ティアで使いたい」という80歳の方もいる。 「災害の時に聴覚障碍者の方に役にたてれば」という高校生の女の子までい る。 動機や目的をもった方は、それだけ手話の伸びが早かった。 私もそんな仲間に感化されて一緒に聾学校や、手話サークルに参加するうち に、聴覚障碍者の方とお友達になり、やがて「お友達と手話で話したい」 という明確な動機が生まれた。 家で夢中で手話の練習をしていると4歳の娘が私の真似をし始めた。 半年たった今、娘は完全に指文字を覚えた。 手話を通して「母が楽しそうに勉強しているものは子供も興味を持つんだな」 ということを知り、大人になっても好奇心を持ち、自分のためにも子供のた めにも学びは必要だと思った。 そんな中、私は妊娠が発覚し、コロナ禍の影響もあり手話の修了目前に講習 会を断念せざるを得なくなった。講習会に通えない旨を仲間に伝えた日。 「手話と学びは貴方から逃げないよ」と皆が励ましてくれた。 私にとってこの手話講習会は単に手話を学ぶだけじゃなく、自分にとって大 きな財産となった。この出会いを大切に私は一生手話を学んでいこうと思う。