第 3767 号2021.4.25
「シェアハウス」
フレンドジジイ(ペンネーム)
家に居ることが多くなった夫を妻が鬱陶しく思う、というのはよく聞く 話ですね。 思うどころか昼間は家に居ないでくれ、とズバリ申し入れる奥さんもい るそうです。そういえば図書館やカフェなどで新聞や本を読んだり、スマ ホやパソコンをいじっている独りぼっちのオジサンをよく見かけます。 私は妻こそどこかへ出かけてくれ、と思ったのですが、何十年と守って きた自分の城をそう易々と明け渡すことはなく、私も“彷徨えるオジサン” になりかかっていました。 そこでただウロウロするだけではもったいないし、何十年もサラリーマン として生きてきましたので他所の世界も知りたいと思い、週に2日~4日 ですがこれまで経験したことのない仕事を探し、月に数万円の収入を得て います。しかもいろいろな職種を体験したいと思い、およそ3年毎に仕事 を変えました。世間には良い人もいればイヤなヤツもいるものですが、 中高年者を受け入れてくれるような職場には総じて気持ちの良い人が多い ということが分かったのも収穫でした。 このような仕事もいつまでも続けられるわけではありませんので、今後 のことを考えているうちにあることがヒントになりました。シェアハウス です。最近若い人たちを中心にひとつ屋根の下で共同生活を営むというラ イフスタイルが増えているそうです。 そこで、我が家もシェアハウスにすることにしました。…と言っても住 人は私と妻の二人だけです。夫である、妻である、というこれまでの立場 をリセットしてこの家で共同生活をする、という風に考え方を変えただけ なのですが、それぞれ役割を分担し、共同生活者としての互いの生活を 尊重し、過度な干渉はしないということにしたら、私も、もちろん妻も 気持ちが楽になり、新鮮な空気を感じるようになりましたよ。