第 3755 号2021.1.31
「80歳で銀ブラ」
喜多 今日子(ペンネーム)
Kさんと私はまもなく古稀を迎える同級生。中学生の時とても親しくしていた。 朝から晩まで一緒に過ごしていた。よくもまぁ話が尽きなかったものだと今にな って思う。大学まであるエスカレーター式の学校で、高校になって違うクラスと なり、大学も違う科に進んだ。時々姿をみかけ、立ち話をするくらいで疎遠にな った。ただ、年賀状のやり取りだけは続いていた。 それぞれ結婚し、子育てがお互いに一段落したころ、ふとしたきっかけで時々 会うようになった。私の勤務先の近くに彼女が住んでいたので、会社帰りに待ち 合わせて、音楽会、映画、美術展とあちこち出かけた。そして、そのたびごとに 疎遠だった時を少しずつ埋めていった。日本橋の高島屋で待ち合わせることが多 かったので、私たちの今の目標は「80歳で銀ブラ」。女性の平均寿命が87歳の 今、70歳で元気な女性は多い。昔の70歳の方々と比べ、私たちははるかに若く見 えるし、自分でも若いと思っている。多少の病気をしたが、幸せなことに二人と も今は元気である。 青春時代を共にした友人は、会えば一気に若い時に逆戻りができる。「人生、 山あり、谷あり」。お互いに色々なことを経験してきた。すべてを受け止め、お しゃべりをし、美しい音楽や美術を楽しみ、美味しいものを食べて、幸せだなぁ としみじみ感じている。 ところが、このコロナ禍でそれがままならなくなっている。「そういえば、コ ロナ騒動があったね。」といえる時が早く来てほしい。 そして、元気で会って楽しくおしゃべりしたいなぁ。大好きな大好きなKさんと。