第 3754 号2021.1.24
「孫に教えられて」
留々子(ペンネーム)
忙しさにかまけて、子供になんの選択権も与えず、はいこれ、はいこれ着て。 髪の毛は、そう短い方が楽ね、バサッと刈り上げ。服は体に良いから木綿の動 きやすい服。その結果、娘が男おばさんって、あだ名がついていたのは、ずっと 後から知った。自分で選ぶ事をしなかったから、何時も迷うのよ、そう言ったのを 聞いた時は愕然とした。ツケは結構ビシビシと容赦なく私にやってきたけど、自業 自得だもの、仕方ないかと。 そんなある日、娘が孫に「駄目でしょ」と叱った時、「駄目でしょっていう前に どうしてって聞いてよ、ママ」そう孫が言った。娘の顔は、一瞬厳しい表情を見せ てから、「そうだよね。ごめんね」と、孫に謝まった。私に育てられた時のことを 思い出したに違いない。本当に駄目駄目言う、駄目親だったと思う。この親子は、 これから先きっと素敵な関係になるんだろうと確信した。でもそれと同時に私がも し、同じ場面に遭遇したとしても、娘と同じことを言えただろうか。また反省。 反省しても全く変わらない私の人生、「今は、忙しくないのにね」娘の声が聞こえ てきそう。