第 3669 号2019.05.19
「 カレーライス 」
霜島ひさえ(入間市)
急に、カレーライスが食べたくなったので、超シンプルカレーを
作ることにした(玉葱と肉のみ ルーなし)
カレーライスというのは、家々で味が違うようで、こんなにも包
容力のある料理が他にあるだろうか。
何を入れてもそれなりのカレーになるようだ。
無論、必須アイテムはある。玉葱とカレー粉である。そして必須課題は玉葱をあめ色になるまで炒めることである。
ルーを使えば手っ取り早いが、最小限度の材料でシンプルに作る
ことに挑戦するのもいい。
カレーで思い出すのは昭和二十五年頃の給食のカレーライス。ア
ルミの器、黄色くて甘いトロっとした食感。
鯨の竜田揚げ、鼻をつまんで飲んだ脱脂粉乳。
それでも、家庭の貧しい食事を補ってくれる子どもたちのエネル
ギー源だった。
六十年以上も経った今でもあの味は特別なものになっている。
もしかしたら、同じものを今食べたら物足りないのだろうが、物
のない時代の子どもたちにとっては滋養の贈り物だったと思う。
時々、急に食べたくなるものがあるが、それがカレーライスだっ
たりラーメンだったりいなり寿司だったりするのは、小さい頃の
記憶が蘇るせいかもしれない。