第 3665 号2019.04.21
「 日曜日の食卓 」
秋本 朋子(柏市)
いつも朝食はパンだったけど、日曜日だけは、和食と決まっていた。
小さいわたしはあじの干物や納豆の匂いが苦手で、食卓がその匂いになると、今日がまぎれもなく日曜日であることを実感した。
朝ごはんが和食であったのは、日曜日の夜が洋食と決まっていたからである。
母が作るロールキャベツや鶏肉のクリーム煮、蒸したジャガイモに添えられたパンとバター。
わたしは洋食が大好きで、記念日のグラタンなんて、喜びで胸が一杯になって苦しいほどであった。
稀に、日曜日の朝に父がエプロンをしてオムレツを作ってくれる 「卵の日」もあった。
長方形に近い形をしたオムレツが机の真ん中に堂々と置かれ、ケチャップをかけて、家族4人で取り分けて食べるのだ。
オムレツからはじまり洋食で終わる日は、特別幸運な日曜日であった。