第 3624 号2018.07.08
「 十犬十色 」
コムすめ。(ペンネーム)
雨の日も、雪の日も、風の日も、天気に関係なく散歩している犬をよく見かける。
「犬は散歩が大好き」というのは常識だろうか。
しかし、うちの犬は散歩が大嫌いだ。
祖父が糖尿病になったことをきっかけに、犬を飼えば散歩に出かけるだろうということからチワワを飼い始めた。
祖父は孫のように寵愛し、大切に育てた。
はじめのころは楽しそうに散歩をしていたが、日が経つにつれて歩かずにしゃがみ込むようになった。
犬が散歩で歩かないのはおかしい。きっと病気に違いないと病院に連れて行った。
祖父「散歩に行こうとしても歩かないのですが、何か病気でしょうか。」
獣医「小型犬は散歩が嫌いな犬もたまにいるんですよ。十人十色と言いますか、犬の性格もそれぞれですよ。」と言われた。
このとき我々の常識が崩れた。「散歩が嫌いな犬もいるのだ。」
犬も十人十色、いや、十犬十色なのだ。
今日も祖父は元気に散歩に出かけている。犬は腕の中で抱っこされながら。