第 3619 号2018.06.03
「 誓い 」
湯川 久未(世田谷区)
ビリリッ。
小袋を破ると、必ず黒い影が目の前にやってくる。うちで飼っているポメラニアンだ。
「ちょうだ~い!!」
こちらを見つめる瞳。期待にあふれた視線?
…いや待てよ。この目は言っている。
「お母さん!ダイエットの誓いは?」と。
万年ダイエッターは意志が弱い。
おいしいものを見つけると、胃に収めずにはいられないのだ。
免罪符のように、クッキーのかけらをひと口やって、ごまかした。後日、私と犬は獣医さんの注意を神妙に聞いて反省することとなる。私と同じように、中性脂肪が高すぎるようだ。
「ごめんよ、ふうちゃん」。
君は本当に忠犬だ。
身をもって、メタボの私に
警告をくれたのだろう。
今度からは、甘いものを食べるときは
一緒にたくさんさ散歩をしよう。
君のおやつは低脂肪のラムで。