第 3618 号2018.05.27
「 心の名医 」
ねこ(ペンネーム)
二年ほど前のある日、職場の同僚が腰痛のため休暇となった。ここ暫く忙しい日々が続いており、仕事に家事に頑張りすぎて体が悲鳴を上げたのだった。彼女がいない職場はなんだか寂しい。いつも明るく周囲を照らしてくれていた。何とか復帰するも、腰の調子はあまり良くないようだった。
そんなある日、名医と評判の整形外科を見つけた彼女は、電車とバスを乗り継ぎ受診し、翌日は心まで晴れたような笑顔で出勤した。その先生は体も心も直す名医だったのだ。ひとしきり体の状態を見て腰の治療後、「これからは、毎日寝る前に自分を褒めてくださいね」とアドバイス。診察室を出る時にもねん押しするように、「寝る前に自分を褒めて!」と笑顔で言われたそうだ。
周囲に気配りできる優しい人は、自分のことはいつも後回し。一日を終えて眠りにつく前に、今日一日を頑張った自分をいたわり褒めてあげる。とても大切なこと。
その後私も彼女も職場が代わり、なかなか顔を合わせる機会が無くなってしまったが、今でも時々思い出す。元気にしているかな?ちゃんと頑張った自分を褒めてから寝てるかな?