第 3612 号2018.04.15
「 幸せのある処 」
ミルクティー(ペンネーム)
難しい顔でパソコンに向かう面々が並ぶオフィスで
ふとディスプレイ越しの窓の外の様子に目が行って、
ハッとして立ち上がり、思わずビルの外に出た
青でもみずいろでも白でもない、カラー見本にない、
それはそれは美しい淡い色の空に
風に流れる白い淡い雲が夕焼け色に照らされて、一秒後にはもう違う景色になる
これほどまでに美しい芸術が、誰の上にも広がっているのにこのオフィス街で今空を見上げている人は私ひとりで
この奇跡のように美しい一瞬の空と雲の色を、
見逃さずに眺めることにより優先されるべきことなんて、
本当はほとんど存在しないのではないだろうか