第 3559 号2017.04.09
「 1字違い 」
仲途 帆波(ペンネーム)
気の合った仲間5人の飲み会を年に3~4回開いている。今回は時節柄満開の桜の木の下でということに決まった。ただ飲むだけでは芸がないからと幹事Aの提案で、座興に謎々をすることになった。
「破れ障子とかけて、冬のウグイスと解く、その心ははるをまつ」を、1字違いにする。例としてAが挙げたのが、ワイフとサイフだった。
宿題として5人が考えて、1題ずつ持ち寄ることにした。
Aは「豆腐と毛布」 Bは「天候と品行」 Cは「工場と相場」 Dは「亭主と清酒」 私は例をパクったような「ワイフとナイフ」を出した。
乾杯をやり懇談し、飲み過ぎないうちにと謎々タイムになった。
全員の回答を全部ここに述べる訳にはいかないが、傑作を披露したい。
「亭主とかけて清酒と解く、その心はどちらもピンからキリまである」
この解題は好評だった。「ところで本人はピンのつもり?」と野次。
「天候とかけて品行と解く、その心はなかなか人が思うように良くならない」
品行方正とは言えない仲間たちだが、みんな納得していた。
「工場とかけて相場と解く、その心は円高・円安で、喜んだり困ったりする」
これは正面(まとも)な解題だろう。
難問だったのは「豆腐と毛布」、全員で頭を絞った結果は次の通り。「豆腐とかけて毛布と解く、その心は豆腐は飢えを凌ぎ、毛布は寒さを凌ぐ」
私の出題も手に負えないと言われ、考えてきた答を発表した。「ワイフとかけてナイフと解く、その心は切れ味が鋭くても困る」
妻を知っている仲間は「奥さんの方が頭が良過ぎて困ってんの?」ときた。
こんな座興もボケ防止、認知症予防に効果があるのではなかろうか。