第 3530 号2016.09.18
「 食事会 」
たけちゃん(ペンネーム)
先日、高校時代の友人6人と食事会をした。友人達とは、年に5~6回、食事会をし、旧友を温めている。
この日一番の話題は、食事会の途中で、友人の「みっちゃん」が話してくれたことだった。私達は、彼女の話に、魅了された。
それは、先日、娘さんと二人で、食事に行った時、隣席に、居合わせたご高齢なお二人のことだった。お二人は、髪を整え、薄化粧を施し、スカート履き、上衣は流行のジャケットを纏い、背筋をピンと伸ばし、素敵オーラが漂っていた。ナイフとフォークを丁寧に遣い、分厚いステーキを美味しそうに食べていた。会話は、きれいな言葉遣いで、嬉しそうに楽しそうに話されていた。
彼女は、お二人があまりにも素敵なので、図らずも声をかけてしまったという。彼女が話すお二人像は、現在90才で、女学校の同級生同志。年に数回、ちょっとおめかしし、お洒落なレストランで食事会をとしている。お料理は、自分では作れない美味しいものと、決めている。食事中は、とりとめのないことを、お互いに話す。次の食事会の日にちを決めて別れる。家を出たときよりも、家に帰ったときの方が、数段元気になっている。この繰り返しを何十年もしていたら、気づいたら90才。夫も子どももいるけれど、夫にも子どもにも、分かって貰えないことがある時など、旧友なればこそ、分かって貰えて、この食事会が、生きていく力の源となっている。
私達は、お二人の話を聞かされ、全員、さっきまで遣っていたお箸をテーブルに置き、ナイフとフォークに持ち替えて、残りの料理を食べました。
友人の「きみちゃん」が言った。私達、今68才。ずうっと食事会続けてゆこうね。気づいたら90才と、みんなで言おうね。全員が大きく頷き、食事会は散会した。