第 3519 号2016.07.03
「 ひまわり 」
メルヘン ヨウコ(ペンネーム)
彼女の名前はメル。黒のダックスフント。
2年前の夏17歳で天国へと旅立った。とても甘えん坊でいつも私の傍にいた。そして最後も私の腕の中で息を引き取った。
動物には予知能力があると聞いていたが彼女もしかり、
夫がスキー旅行などで家を空けると決まって帰宅30分程前からソワソワし、その内ワンワンと騒いで玄関で夫の帰宅を待っている。程なく夫は到着する。
また私が旅先等から家に電話をすると、私からだと察知してワンワン騒いでいる。電話の着信音の段階で分かるらしい。
他人の人の電話には反応しないそうだ。
彼女はやきもち焼きで、夫と私が並んでソファーに座っていると、必ず間に入ってきた。
私が悲しみに涙を流しているといつも心配そうに涙を舐めてくれた。そして彼女も悲しいときは涙を流していた。
メルは私たちに愛と幸せをいっぱい残して旅立った。
彼女がだんだんと弱って、歩けなくなってからは、抱いて田んぼや庭を散歩した。庭には色とりどりの花が咲いていたが、ひまわりも大小2本咲いていた。
「小さい方はメル、大きい方はママよ」と彼女に話して聞かせた。ひまわりが彼女がこの世で見た最後の花となってしまった。
今でも夕日が美しく輝くひまわり畑で、メルが楽しげに走り回っているような気がしてならない。
メル あなたに逢う時はひまわりをいっぱい持って行きますね。