第 3513 号2016.05.22
「 特別な誕生日 」
堀越久基(中央区)
今日は娘の誕生日。朝、おはようと言葉をかける。おはようの返事がすぐに届く。おめでとうと言えず娘はすぐに家を出てしまった。
数日後前、娘に特別なお祝いだから、一緒に祝いたいと話していた。
時間的に無理だと思うよ、と言われていた。。
夜、行きつけのBarでいつものように飲んでいた。
娘はもちろんその場所を知らない。
なんとなく手にしたスマホから娘にメールした。
おめでとう。
今どこ?すぐに返事がきた。近くにいる。。
場所を教えた。今から行くと返事がきた。気をつけて。
扉が開こうとした。その扉は重く手伝った。
娘にとって初めての世界。静かな大人の空間。
棚に並んだボトル、変わらないカウンター。いつもの席の隣に
娘が座る。娘にはあのカクテルで。私はいつものカクテルで。
同じカクテルグラス。二人で乾杯。二十歳の娘に。。