第 3511 号2016.05.08
「 母のレシピノート 」
匿名
最近、料理のレシピを携帯で探すことが多い。
家にある材料を入力するだけで、たくさんのレシピが表示され、大変便利なのだ。
たくさんのレシピの中から自分の好みにあったものを探すことも出来る。
今やらなくてはならない存在だ。
先日、台所の戸棚の中からボロボロになったノートを発見した。
ノートを開いてみると、そこには新聞や雑誌の切り抜きに加え母の走り書きのメモがたくさん書いてあった。
油や調味料の散った跡をみると、何度も何度も作ってきたのであろう。
確かに小さい頃に私が食べてきた母の味がそこにはたくさんあった。
途中のページにやたらとこんにゃくレシピがあったのだが、
そうだ、私が高校生でヘルシーなものをリクエストしていたときだ!
と思い出して思わず笑みがこぼれた。
こんにゃくがメインだなんて、きっと苦労しただろうな~。
他にも調味料が書き直されているのをみると、家族の反応に合わせて母なりに改良したのかな~となんだか温かい気持ちになった。
携帯のレシピサイトはいつでも見られて非常に便利だ。
だが料理番組を見ながら、レシピを見落とさないように
必死にメモしていた母の姿を想像すると、このレシピノートがすごくすごく大切なものに思えた。
その母の手作りノート、私がお嫁に行く時は絶対にもらっていこう。
それまでは母から直接、「母の味」を習っておこうかな。