第 3510 号2016.05.01
「 一日早い母の日の出来事 」
小林こ幸(山梨県南都留郡)
5月9日(土)
楽しいと言っていたはずの部活を休む、と高校一年生の娘。
高校に入学して一か月、疲れが出るのも無理もないのかもしれない。特に理由は聞かず、「午後は図書館へ行って勉強を頑張るんだよ」と言い残し、私は普段通り仕事へ向かった。
仕事を終え家へ向かうと、娘の自転車がなかったので、図書館へ行けたんだなとひと安心。家に入り、冷たい飲み物をと冷蔵庫を開けると、メモのついた包みが入っていた。
お母さんへ
本当は10日が母の日だけど、明日君休みらしいから。
いつもありがとう。 ○○より
和菓子と洋菓子、毎日おやつを欠かさない私への最高の贈り物だった。買ったお店を見ると、図書館からはるかに遠い場所。そこまで自転車で向かい、一旦家に戻って冷蔵庫へしまい、また図書館へ行ったのだ。その様子を想像し胸が熱くなった。
帰宅した娘に心から「ありがとう」と告げると、
部活を休んだ理由を教えてくれた。母の日のプレゼントを買いに行くためだったと。さらには、自転車で段差につまずき転倒、手の平から流血、おまけに腕時計が壊れたと・・・。
忘れられない母の日となりそうだ。