第 3495 号2016.01.17
「 僕は大丈夫 」
由布子(ペンネーム)
中一と小4の孫が遊びに来ていた。
3時近くになったので、ゼリーやおせんべいを出して「おやつよ」と声をかけた。
上の孫は、どれがいいかな。とテーブルにやってきてのぞく。
そのそばで、弟孫が「僕は大丈夫」と言った。
私が「いらないってこと?」と尋ねると「そう」と答えた。
部屋で聞いていた夫が
「大丈夫はおかしいだろ。いらないなら、『いらない』って言えばいいよ」と言った。
すると、この子は「でも、それだと失礼だよ」と少し口をどがらせるようにして言った。
聞いていた兄ちゃんも、
「そうなんだよ、いらない、って言う言い方はぶっきらぼうだし、せっかく言ってくれた人に悪いから、僕たちはそういうときは『大丈夫』っていうんだよ」と、弟をかばうように付け加えた。
私が、「ふーんそうなの。要するに英語で言う『ノーサンキュー』、ありがたいけどいりません、なんだね」というお兄ちゃんは「まあね」。
子供達の学校でそうのうように使われているからか、は定かではない。
けれど、幼いと思っていた弟孫が他人を思いやって使う言葉は、私たちには少し奇妙に感じるけど、優しい言葉であると知って、ほんわかした気持ちになった。
「ふーん、僕はダイジョーブ…」…か。