第 3482 号2015.10.18
「 ヒヨドリたちと相談 」
ひろちゃん(ペンネーム)
庭に1本のみかんの木がある。
中山法華経寺の秋祭りで買った温州みかんの木である。
植えてから20年。
娘たちと競争するように成長した。
いまでは1階の屋根より大きくなった。
実をつけはじめてから10年目。
例年に較べて花の数が少なかったので心配していた。
がその分、ひとつひとつが大きな実に育った。
少数精鋭のわが子たち。
太陽を浴びて日々黄色くなっている。
秋が深まり、ヒヨドリの群れがやってきた。
餌のありかを教えあっているのだろうか。
ピーヨ、ピーヨと鳴き交わす。
今は柿の実が狙われている。
食べつくすと今度はみかんを狙ってくる。
そこでヒヨドリたちと相談だ。
みかんは何個残しておいてもらいたい?
今年は数が少ないので10個くらいでいいかな?
去年と同じ30個が欲しいとは欲張りじゃない。
67個しかならなかったんだから我慢してよ。
わかった、わかった。30個残しておくよ。
足りなければ買えば済むことだから。