第 3475 号2015.08.30
「 ガウラの花 」
末吉杉子(横浜市)
ガウラという花を知ったのは20年ぐらい前だと思う。この花
は北アメリカ原産、長い茎の先に、穂状に白又は赤の小花を咲か
せる。今年の夏、我が家の庭に思いがけない様子で咲いている。
2,3年前にガウラの苗を植えた。一年目はあまり咲かず、二年
目には根元から沢山の茎が太い束になって生えてきて大きな影を
つくり、その後ろ側の花たちの元気がなくなってしまった。今年
の春、また勢いよく生えてきたのでその若い株を数カ所に分け植
え、大きな影が出来ないようにした。そして今、夏の終わり、ピ
ンクと白のガウラの花が狭い庭の三分の二ぐらいを覆い、地上
1.5mぐらいの高さでゆらゆらと風に揺れている。蝶々が毎日や
って来て花と入り交じっている。
ガウラを買った時に、花屋さんがこれは田んぼの周りに咲いて
いたんだよと教えてくれた。そうかな、見たことがなかった。気
が付かなかったのかなと思いつつ、別荘地を散歩している時に、
ある山荘の玄関前に大株のガウラが沢山の花をつけて中心から外
側に開くように咲いているのを見て、あ、きれい、ああいう風に
咲かせたいと思った。
ところがそのように盛大に咲かせるにはよく陽の当たる広い場
所が必要だった。あいにく我が庭にはそのような場所がなく、小
さな株に分けて他の花たちの日当たりを気にしながら植えるしか
なかった。それが、うまく小花を散らしたような景になったのだ。
花期の長いこの花は、他の花があまり咲いていないこの季節の
庭を彩り、秋の花が咲くのを待っていてくれるようだ。