第 3474 号2015.08.23
「 青の調べ 」
竹人(ペンネーム)
強い陽射しに浮かび上がる 青いドーム。
憧れ続けてきたシルクロードの地、ウズベキスタンを旅したのは
昨年の夏のこと。
身軽なひとり旅の道連れは、一管の篠笛。
遥か昔からの交流地。
バザールですれ違う人の髪も肌も瞳の色も様々。
ふと通りかかった一軒の屋台...
そこには楽器が、ざっと見て30種類ほどの楽器が並べられてい
た。
さすがはシルクロードの中継地、楽器も洋の東西をつないでいる
かのよう。
店員の男性が「どちらから?」
「日本から...」と私。
満面の笑みとともに彼が弾き始めたのが“遠くへ行きたい”と
“ふるさと”
メロディーが異国にいる私を“ふるさと日本”へと、距離を越えてつないでいく。
素敵なひとときを頂いた御礼に、こちらからは“さくら”と“荒城の月”を篠笛で。
拍手の音に目を開けると、いつのまに集まったのか
地元の方々のあたたかな眼差しに囲まれていた。
忘れ得ぬ旅の思い出。
私にとってシルクロードは音楽の道。
そして、旅はまだ始まったばかりだ。