第 3461 号2015.05.24
「 充実した人生へのキーワード 」
仲途 帆波(ペンネーム)
このところ「5ギヴ、1テイク」ということが言われ出した。
5回他人に親切にしてあげたり何かを差し上げても、その度毎に返礼を期待してはならない。その内1回でも感謝されたら良しとせよ、ということらしい。
「そうだ感謝のその気持ち、その気持ちが国譲る」
歌い出しも題名も忘れてしまったがこれはあの戦争中に流行った歌、当時私は小学生だった。今、喜寿以上なら記憶のある方もおられるだろう。
私のようにリタイアした高齢者は、何かにつけて若い世代にお世話になり生かされているのだから、特にこうした心掛けが肝要ではないか。
というわけで「感謝」が第一のキーワードとなる。
年齢とともに失われていくのは、体力だけではない。感受性も摩滅していく。何事にも感謝することが少なくなり、表情に生気が感じられなくなる。
感性は若いときほど鋭い。日本を代表する、西脇順三郎、三好達治らの詩人にしても、第一詩集を読み返し、我が感性を研ぎ直している。第二のキーワードは「感性」である。
感受性と関連するが、加齢は思考を一層固定化する。見たものや聞いたことを自分が持っている従来の常識に当てはめて、陳腐化してしまう。従ってそこには新しい発見も無ければ、興味も湧いてこない。
生きていくといことは実は、人間に関心を持つことではないか。会ったときの表情、身なり、対話に今まで以上に関心を持てば、より深く見えてくるものがあるはずだ。それが相手にも伝わり友好関係に発展する。特に異性への関心は、旅立つまで失うことなく保つこと、第三のキーワードは従って「関心」となる。