第 3448 号2015.02.22
「 ハワイの想い出 」
益本 恒夫(日野市)
2月、かねて計画中の友人達とのハワイ旅行を決行した。4年前救急車で運ばれ、九死に一生を得た私は、リハビリ中の為、医師の免許を得ての旅立ちだった。
出発前日、50~60年ぶりの春の大雪で、バスもタクシーも不通の為、約30センチの積雪の中、大きなトランクや荷物を引きずり乍ら休み休みの雪中行軍は、骨身にこたえた。
駅に着いた時はもうフラフラだった。やっとの思いで到着した空港でもフライトの欠航が相次いでいた。幸い出発予定との事で機内に乗り込んだが、待つ事約3時間、それでも機体の除雪が終わり何とか離陸出来た。
20数年ぶりのハワイ(オアフ)は、紺碧の空、そしてどこまでも広がる青い海。もう真夏の様相だった。
夢の様な一週間もあっと言う間に過ぎ、帰国前夜、ホテル近くの日本食レストランに行った。店内は超満員だったが、幸い予約していたので助かった。席に着くとシェフに「予約していないがアメリカ人2人が同席しても良いか」と訊かれ一緒の会食となった。
高齢のご夫妻だった。聞けばロスアンゼルス在住で明日帰るという。私達もかつてロスに駐在して家族で住んでいたと伝えると、話が一気に弾んだ。
数年前京都・奈良に旅行されたとか。打とけて来て話は子育てにまで及んだ。お二人は子育てでは、次の3つの言葉をしっかりと教え込んだという。それはThank you(感謝の心)Please(人への思いやり)Excuse me(謙虚さ)の3つ。私は日本人として何を子供達にしっかり教え込んだかと自問自答した。気がついてみれば、あっと言う間に2時間が経っていた。
別れるとき、握手して、ご夫妻に言われた言葉が、今もこころにひびいている。
「アリガト トテモ タノシカッタデス」。