「 笑い話二つ 」
霧島 ひさえ(入間市)
笑い話二つ
その一「温めますか?」
急に寒くなって、ホカロンと仲良くならざるを得ない日が多くなった。
先日も朝から北風が吹いて関東も雪はまだ降らないにしても、身をきるような冷たい日、駅に行く途中のコンビニで靴の中に入れるホカロンを買う。
レジに持っていくと、若いアルバイトらしき女の子が、ホカロンを受け取ると「温めますか?」と聞いてきた。わたしも咄嗟に「はい 温めます」と言ってしまった。
直ぐに二人とも間違った会話を交わしていることに気が付いて、一瞬二人とも無言。女の子の方は、丁度お昼時で、続けざまにお弁当を「あたためますか?」という会話をお客様と交わしていたのだろうか、その流れで、ついついそんな言葉が出てしまったようだ。
わたしの方は、物が「ホカロン」だったので。相手の質問に思わず言ってしまったようだ。
その後、女の子は済まなそうに「すみません」と苦笑い。
わたしは、こらえ切れない笑いをホカロンと一緒に抱えてお店を出た。
あの後、女の子がどうしたかわからないが、わたしのほうは電車に乗ってもマスクの中で笑いをこらえていた。
その二「カップラーメン」
カップラーメンが、無性に食べたくなって買う。
何にしようかと、スーパーで物色していると、なんと、あのチャルメラおじさんの絵が描いてあるカップラーメンがラッパを吹いて棚に並んでいた。
迷わず、一つ買ってお昼に食べよう!と、お肉や野菜と一緒に籠に入れて帰ってきた。
三分待って胡椒を振って上下良く混ぜて食べる。小さな焼き豚、小さな鳴門、全てが小さくて箸で摘むのに苦労する。食べ進むうち、びっくり、びっくりカップの中にもあのおじさんがいるではないか。五枚程入った小さな鳴門を見ると、おじさんの顔がプリントされているのがある。
これはファンタジーに近いよー、などと一人感動して、おじさんを食べる。
最近、どうでもいいようなおかしなことに妙に感動する。