第 3369 号2013.08.18
「 ぱり、パリ、巴里 」
室伏 晃子(港区)
先日8年ぶり3度目のパリ旅行に行った。
初めて私がぱりに旅行したのは、17歳の夏。弓道に夢中だった私が叔父と従妹と3人という珍しい組み合わせでヨーロッパを周遊したのがぱりだった。ジュネーブからTGVに乗りぱりへ。その美しい車窓からの風景と芸術的な町並みに完全に‘おのぼりさん’状態になってしまった私は、正直あまりぱりを楽しむことができなかった。ただ不思議と大人になったらもう一度この町を訪れたいという気持ちが私の心に芽生えたのを今でも覚えている。
2度目のパリは26歳の夏。当時の私はイギリス留学を終え、帰国する直前だった。大学の友人とロンドンからユーロスターに乗り、パリの北駅に到着した。今度は英語もできたので地下鉄に乗り、現地の人に道を聞き、美味しいフランスパンを楽しむ余裕があった。26歳のパリは同じ街を通して自分の9年間の変化を実感するパリだった。
そして先日の3度目の巴里は夫婦で。普段共働きの私たちが2人でゆっくりカフェ巡りをしながら将来を話し合う巴里だった。そして夫はこの巴里旅行の後、実家の医院を継ぐことを決断した。
私にとって生涯に行ける海外の街はそれほど多くないであろう。
だから同じ街に行くのはナンセンスという考え方もあると思う。しかし、ぱり、パリ、巴里と異国の同じ街を違う年代の自分が眺め、そして違う感じ方をする旅もまた面白い。
4度目はどのタイミングで訪れるのだろう?未来の自分が花の都でまた素敵な成長を感じられるようこれからも日々大切に生きていきたい。