第 3314 号2012.07.29
「 夏休み 」
高橋 智子(さいたま市)
先日、高校3年の息子の通う学校のPTA主催のバスツアーに参加した。
ワイワイと賑やかにバスに乗りこんだ。首都高にのり、車窓の景色を眺めていると、開放的で、とても楽しくなってきた。
「あれっ。いつか同じ気持ちだった時がある?」「えーっと」ずっと忘れていた遥かなできごと、想い出していた。
息子が小学2年生の夏休みに江ノ島へ海水浴に行った帰り、ロマンスカーに乗った。暮れていく空と明かりを灯した街のコントラストがきれいで、ずっと車窓を見ていた。快い疲れが重って、華やかないい気分だった。
「高校の卒業式を、子育てのゴールにしよう。」その時に浮かんで、決めた。
でもそんなことはすぐに忘れてしまって、ずっと忘れていた。
あれから10年。色々なことがあった。時には壁にもぶつかったし、穴にも落ちた。
でもそんな時、「大丈夫!大丈夫!!」と魔法の言葉を唱えた。すると不思議に大丈夫になった。
夏が過ぎて、秋が終わって、冬が始まると、私の子育てのゴールテープが見えてくる。
もちろん、そこからが一番お金もかかるし、様々な応援が必要になる。でも、それは子育てではなく、サポートだ。
あと、ほんのわずかな時間だけが残っている。
それまでの間、バタバタしたり、面白いことを言ったりして、楽しみたいと思う。