第 3278 号2011.11.20
「 サツマイモ 」
P・あづき(ペンネーム)
二、三日前夫が急に何を思ったのか、蒸かしたサツマイモが食べたいと言いだした
久しぶりに道の駅に行き、形、色のいい、見るからに美味しそうな物を買って帰宅した
早速夫は「昔はおふくろが作ってくれたふかし芋が最高のおやつだったんだョナァ~」と蒸し器を取り出しながら独り言を言っている
私は子供達のおやつにはスイートポテトをよく作る
さてさて蒸し上がった様子
「どお?美味しい?」と聞く私に
「う~ん…こんな味だったかナァー?」と夫
今は人気のスイーツが出回り、みんなの舌も肥えてきた
「懐かしい思い出の味は今や頭の中だけの記憶の味覚になってしまったのョ」とクールな私
夫にとっては物悲しい秋の味覚となったようだ