「 “見て、見て!!”このカード 」
かみふうせん(匿名)
夕刊を取りにポストを開けたら一枚のカードが入っていました。何かしら?「“ご自由にお持ちください”の言葉に誘われ、一束バラを頂きました。部屋に飾ったら明るくなり、ひとことお礼をお伝えしたくて筆をとりました。ありがとうございました。」
今朝、我が家に咲いたバラでいくつかの花束を作り、門の前に置いておいたのをお持ちになった方からのお礼のカードでした。
毎年5月、家の前を行き交う人が「きれいですね」「見事に今年も咲きましたね」と声をかけてくださいます。ここで楽しむだけでなく、そのようにおっしゃってくださる方々へ一枝、二枝切って差し上げるようになったのが数年前のこと。
昨年からは3、4本の枝を一束にして「ご自由にお持ちください」とバケツに入れて家の前に置くことにしてみました。すると一時間足らずでバケツは空っぽ。
皆さんに喜んで持って行っていただけたようです。
と、今まではお持ちになった方々の気持ちを想像しているだけでした。
でも、今年は違いました。
亡き主人が植えたバラです。今では子供達と暑い夏には水を絶やさぬように気をつけ、虫がつかぬよう葉の裏を見たり、草取りをして肥料をあげたり日々世話をしています。この一年丹精込めて育てた甲斐があり、今年もたくさんのつぼみをつけひとつ、ふたつと数え次々咲き満開になりました。
『まぁ、なんて素敵なことでしょう』
カードを持って子供達に“見て、見て”と大はしゃぎしてしまった私。お礼のお言葉を頂けるとは思っても居りませんでした。
そして、更に翌朝のことでした。近所の小学校に通う女の子のたどたどしい字で書かれた「ありがとう」のメッセージがポストに入っていました。皆さんに喜んでいただけた上にこんな喜びを与えて頂けるなんて、なんてすばらしいのでしょう。
きれいに咲いてくれたバラに感謝しながら、こんなにもうれしい気持ちにさせてくださった見知らぬあなた方へも感謝しています。ありがとう。
「さぁ、バラに水やりをしなくちゃ。」