「 あいってなーに? 」
かせようこ(茅ヶ崎市)
四歳になる孫の大輔が、突然ママと私に「あいってなーに?」と聞いた。ウン?なんて答えよう、一瞬娘と私は顔を見合わせた。それからママがゆっくり「大ちゃんのことをママもパパもとっても大切に思っているでしょ。じーじもあーちゃまもいつも可愛がってくれて、大ちゃんのことを大切に思ってくれているでしょ。そういうことを愛って言うのよ」
「あっ、そうか、ママはあーちゃまのこどもだし、大ちゃんはママのこだしね。あれっ、パパはあーちゃまのこじゃなくて、なごやのじーじのこだからちがうね」
「そんな事無いわよ、あーちゃまもじーじも、大ちゃんのパパの事いつも心配したり、考えてくれているでしょ」
「みーんな、誰でも、いろーんな人の事を思ってあげるのが愛なのよね」と私が結んだ。
肉食恐竜の怖ーいティラノザウルスが、かわいい子供の草食恐竜の無邪気な健気さにすっかり優しくなる、色刷りきれいなかわいい、そしてちょっと切ないお話の絵本が今大ちゃんのお気に入り。それをさっき読んであげて、切ない場面で私も涙声になり、ふと見ると大ちゃんもヒックヒックしながら、大粒の涙を流してわあっと泣きだしたのだ。
絵本の題が「その愛をください」だったから、きっとそこから「あいってなーに」という質問になったのだろうと娘と私は思った。
数日後、今度は「しんじゃったらこころはのこるの?こころがちがうからだにはいって、またうまれてくることってあるの?」と又、大ちゃんがママに聞いた。
「そうね、天国に行っても心はいつも皆の所にいると思うし、生まれかわるってことかしらね」と考えながらママは答えたそうだ。
ウーン!何て優しくて難しい質問。
まだまだこれからも、そんな問い掛けが一杯出てくるのかもしれないと思うと、何だかワクワクしてくるのだった。