第 3081 号2008.02.10
「 最初のギフト 」
匿 名(鳥取市)
父は私にこれまでも何もプレゼントをくれた事はありません。
誕生日も、クリスマスも、プレゼントをくれるのはいつも母。父が働いたそのお金で母が買っているのだから、父からのプレゼントといえないことはないけれど、選んで、カードを添えて渡してくれるのは母なので、父はプレゼントをくれない人、ずっとそう思っていました。
ところが今年、私に娘が産まれたとき、そんな父から荷物が届きました。
中には、ベビー服とぬいぐるみとおもちゃがぎっしり!そして、父が書いたカードが添えられていたのです。「おめでとう 〇〇のために、私が選びました」
ただ、それだけの文章。なのに、なぜか涙があふれてきました。それから、あのぶっきらぼうな父がベビー服とぬいぐるみを探し回っている姿を思い浮かべておかしくなってしまい、泣き笑いになってしまいました。
後日、その話を母にすると、母は笑いながらこう教えてくれました。
「あなたが産まれたときも、お父さんは抱えきれないくらいのベビー服とぬいぐるみとおもちゃを買ってきたのよ」、と。
私は、ずっと父からプレゼントをもらったことがないと思っていたのに、本当は人生最初のプレゼントをもらっていたのです。
それを知って、また涙があふれてとまらなくなってしまいました。
お父さん、私と娘に、最初のギフトをありがとう。