第 3046 号2007.06.10
「 食べ物の好き嫌い 」
仲途 帆波(ペンネーム)
「どうして山に登るのか」の答えとして「そこに山があるからだ」は、あまりにも有名な言葉である。
山に全く登らない人にとっては、ときには命がけで山に挑戦する人の気がしれないということだろう。
最近「人を二つに分ければ…」が流行っている。先日読んだ新聞には「花の名前をすぐ覚える人、全然覚えられない人」なんていうのもあった。
さて食べ物についても、何でも好き嫌いなく食べる人と、好き嫌いの多い人に分かれるのではないか。
ちなみに私は比較的好き嫌いのある方で、特にピーマンが駄目である。
「何故こんな美味しいもの食べないの?何故嫌いなの?」
私にとって、これほど答に窮する質問はない。嫌いだからとしか、答えようがないし、ときには笑ってごまかすのだが……。
だいたい女性はなんでも美味しく食べる人が多く、こういった質問を浴びせるのも女性である。そして最後は勝ち誇ったように、にっこりするのだ。
食べ物の好き嫌いは、一方で場を和ませるという意外な効果もある。
会社時代の仲間にも、ピーマン嫌いがいた。同好の士同志で顔を寄せながら、「あんなもの、喰えるかってんだ」と、溜飲を下げたことを思い出す。
先日、娘の嫁ぎ先に行った時のこと。四才の孫娘が突然言った。
「大パパ、ピーマンもちゃんと食べましょうね」
いつも母親から言われていることを使ってみたのだろう。これにはみんなが、笑いだしてしまったが、私に注意したのは、やっぱり女性だった。