第 3042 号2007.05.13
「 ツバメの住む駅 」
大木 弘子(東京都国立市)
私がいつも利用する、JR中央線国立駅の赤い三角屋根の駅舎が駅の改良工事の為一時取り壊し、その後再建することに決まったと新聞で読んだ。
国立に住んで十年になるが、確かに駅の反対側に行くのにはガードレール下の細い道を通り、駅を迂回するしかなく、不便で危ない。中央線が複々線になる為一時壊すにのは仕方がないのかもしれない。
でも大学通りの桜並木の延長線上に赤い屋根の駅舎はとても合い、春に桜、秋には紅葉、冬には光のイルミネーションと違った姿を見せる桜の素敵なアクセントになっていた。まるで、私の好きな絵本「ちいさいおうち」のおうちのように、国立の四季をじっと見守っているように思えた。
又、国立駅はツバメの「おうち」でもある。春になると、ツバメが駅の改札を出たところに巣を作る。餌を運ぶ親と口を開けて待つひなの姿を見るのは私も子供達も大好きだった。
今日、駅の改札を出、上を見上げると、まだ巣立った後のツバメの巣が残っていた。来年の春には間に合わないかもしれないけれど、又駅がいつか元通りになり、ツバメが帰ってきてくれることを祈っている。