第 3041 号2007.05.06
「 息子のサッカー熱 」
紅茶大好き(ペンネーム)
小学1年の次男がサッカーを始めた。これはもう我が家の一大事だ。
なにしろ母親の私は映画や読書をこよなく愛するインドア派であり、父親の夫は鉄道や車をこよなく愛するアキバ系なのだ。突然変異で生まれたとしか思えない。我が家の生活は一変する。
そもそも昨年のワールドカップに対する次男の熱情はただものではなかった。全試合録画し、身じろぎもせず2時間あまりもテレビに釘付けになり、試合終了後は活躍した選手のまねをする。ワールドカップ出場国の選手はもちろん、国旗や首都を全て覚える。誕生日プレゼントにサッカーボールを欲しがる。夜寝る時もボールを抱いて寝る。そんな息子の様子に私はおびえた。なぜなら私はインドア派だからだ。
子供がアウトドアスポーツを始めるということはとりもなおさず母親が全面協力するということだ。雨の日や風の日、灼熱の太陽が照りつける真夏の日、粉雪舞う凍える冬の日どんな時でもグラウンドで戦う。
そんな息子を母親は世話し、見守り、応援する。普段めったに外出しない私にできるのだろうか。息子の気持ちはわかるが、私の気持ちがついていけない。何とか息子をごまかして入会を引き伸ばし続けた。
しかし、息子は学校の作文で切々とサッカーへの情熱を綴った。まだ一年生でやっとひらがなが書けるようになったばかりのたどたどしい文字だ。思わず涙が出た。子供がやりたいことに協力しないなんて私は悪い母親だわ。私が心を入れ替えよう。そして入会した。毎日息子は生き生きとサッカーボールを蹴っている。先日の初めての試合では大活躍し、優秀選手に選ばれた。私は号泣である。そして息子が手紙をくれた。「おとうさんおかあさんさっかーにいれてくれてありがとう」
また号泣だ。