「 我が家の小遣い、心遣い 」
お 多 福 豆(ペンネーム)
以前テレビで「夫の小遣いは幾ら?」とのテーマが取り上げられました。小遣いを削減されたある夫は、やりくりのため電車から自転車通勤に変え、仕事には弁当持参、夜遊び厳禁のケースが紹介されました。生活を支え合う家族の姿として参考になりました。
さて結婚10年目を迎える我が家は、夫は自営業で私は専業主婦。不況のあおりを受け仕事は多くなく日々自転車操業。金銭的に潤っている生活とは言えません。でも私たち夫婦は「小遣い制度」にしたことはありません。お互い支出額を制限せずとも納得しあえる使い方をしていると信頼できるからです。
ただ私の方は正社員の頃あった収入がなくなったので、夫に必要なときに必要なだけのお金をもらう形で家族の食生活品を買い、私の用品はいつも最後の遣い操りで購入しています。私が正社員だった頃は時に夫の月収を上回る収入が有り、割合自由に趣味や交友に使うお金を費やしていたことからすると今は倹しい毎日ですが、夫の働きで家族が安心して暮らせる事に感謝しつつ、夫からの収入を有り難く受け取っています。
幸い夫は大雑把なようで心遣いの細やかな人。私がお金を受け取る際に気遣いをせぬ様にとの配慮から、私が居ない間に食卓の御盆の上や、アイロンテーブルの隅に、幾枚かのお札をそっとおいてくれます。
それで私は余計に有り難く、大切に使わせて頂きます、と内心感謝して受け取って使っています。
また私の用品を買うのは最後とはいえ、お金では買えない「私が輝くために趣味に没頭する充実の時間」を持つことを夫は認め応援してくれ、最高の戴き物だと思っています。
大切な事は、家族で心が寄り添い信頼できる生活だと思います。「貧しいながらも、明るい我が家♪」とコマーシャルソングの様に口ずさみつつ、今日もまた家計の助けになればと思い、安売り品を広告で探し、自転車でタイムバーゲンの店の梯子をしています。