第 3018 号2006.11.26
「 手縫い 」
岡 村 愛 子(山梨市)
秋の夜長に手芸を楽しもうかと、久しぶりにミシンを出してみた。
ところがモーター音はすれども全然動かない。修理の方に来ていただいたが、先づは手入れの悪さに驚かれ、十三年も前のものなので部品があるかどうかと帰って行った。今はこんなにも楽に扱うことのできるミシンがあると数十万円もする光り輝く品も見せて下さったが、到底、買う気にはなれない。特別な技術がある訳ではないし、手元にある布で何か形のあるものを作ってみたくなっただけ・・・。
そうだ、手縫いにしてみよう。
図書館で借りて来た本を参考に、先づは帽子に挑戦。夏を何度か過ごしたTシャツは色褪せ形は崩れてしまったけど、処分するには勿体なく、いつか何かに使おうと取っておいたものだ。そんな物が何枚もある。
手縫いはいい。
音のするものではないから居間で家族と話しをしながら針を進めることが出来る。
「あれっ?何だか見覚えのある模様だね。」出来上がった帽子を頭に鏡をのぞいていると息子が気付き、夫が「すごい。」とほめてくれた。
気を良くして、「皆の分、作ってあげようか。」と振り返ると、「うん、遠慮しておく。」と二人。ナンジャイ、ソレハ・・・。
端切で栞を縫ってみる。
秋の夜長の読書のために・・・。