第 2983 号2006.03.26
「 春に 」
宮原 秀子(神奈川県厚木市)
私の節目には いつも
桜の花が咲いている
初めて小学校の校門をくぐり
満開の桜の下で記念撮影したあの日
窮屈な征服に緊張した
中学校入学の時も
校舎の窓辺に桜が咲いていた
希望の高校に入れずに
心で泣いた高校入学の時も
初めて好きな人と歩いた
サレジオ教会の近くの桜並木
1年の自宅浪人を経ての大学入学
構内の木々には様々な花が咲き
葉の一枚一枚がきらきら輝いていた
構内の道の両脇には桜が植えてあり
ちょうど満開の桜でトンネルができていた
朝陽に透けたきれいな花びらも夜には
時折吹く春風に花びらを盛大に舞わせ
幻想的な雪の舞を見ているようだった
いつしか桜は
わたしの大好きな花になった
いつも桜の季節はほんの一瞬だけど
満開の桜の下で
目を閉じて想い出に心を和ませよう
これからくる明日へ希望をはせよう
そんな 春に