第 2965 号2005.11.20
「 加齢の喜び?! 」
三浦 さらさ(ペンネーム)
「年は取りたくないものだ・・・」そう思う瞬間が少しずつ増えていく今日この頃だが、同時に「年を取るのもそう悪くない」と感じることも少なからずあるものだ。私の場合、特に「嗜好や趣味の幅が年々広がっていく」ことが挙げられる。
最も身近な例では、以前は苦手としていた食べ物や料理が美味しいと感じられるようになったこと。(大の飲み食い好きとしては、これに勝るシアワセはない)紅茶一辺倒だったのが、コーヒーもOKになり、ワイン・ビールの他に好きなお酒として焼酎が加わった。料理も、「動物性脂肪たっぷり=ご馳走」から脱却し、旬の素材を活かした和食をしみじみ美味しいと思えるようになった。
もちろん、飲み食いだけの話ではない。子供の頃から運動が苦手で、体育の授業も大嫌い、大人になってからもスポーツにはとんと縁のない生活をしてきた。ところが、ひどい肩こりに悩まされ、何か運動をしたほうが良いという医師の話を無視できなくなった時、どうせやるなら、見るのが大好きな「バレエ」にしようとひらめいた。もちろん、入門コースでバレエというより、ストレッチ体操。それすら、周りに合わせられない。しかし、美しい音楽に合わせて体を動かすのは、今まで、経験したことのない汗をかく気持ち良さである。若い頃なら、それ以前に自分の無様さが恥ずかしく、すぐに辞めていたことであろう。
同じように、苦手の一言で片付けていた絵を描くことや、楽器を演奏することにも興味がわき、いつか挑戦したいと思うようになった。
この先、好きなモノやコトが一つでも増えていくように願わずにはいられない三十路半ばである。